種井隆文准教授よりご挨拶
私が医師になってから気づけば約20年が経過しました。豊橋市民病院、名古屋大学医学部附属病院、名古屋セントラル病院、小牧市民病院を経て、2022年4月から縁あって再び名古屋大学医学部附属病院へ赴任させていただくこととなりました。これまで脳卒中や重症頭部外傷などの手術治療をメインとしながら、難治性疼痛の治療にもたずさわってきました。難治性疼痛に10年以上かかわって痛感することは、脳神経外科単独の治療には限界があるということです。難治性疼痛は、様々な要因が複雑にからまり難治化しています。したがって難治性疼痛の治療効果を高めるためには、それらの要因と関連のある診療科(麻酔科、整形外科、リハビリ科、精神科、脳神経外科など)や多職種が垣根をこえて連携し、一人の患者さんをチームで治療することが重要です。痛みは人間が感じる苦の根源的な原因であり、痛みを軽減させることは、医師の最も大切な仕事の一つと認識しています。
今回、名古屋大学医学部附属病院という高度な専門性を有する大病院で働く機会をいただきました。私の使命は、難治性疼痛に関する専門性を深め、さらに包括的かつ集学的な治療を提供できる体制を構築していくことだと考えています。難治性疼痛でお困りの患者さんの苦を少しでも軽減できるように誠心誠意つとめてまいります。