脳外科医荒木芳生

荒木芳生客員研究者よりご挨拶

もやもや病については基本的に全例、直接・間接複合血行再建術を行います。
乳幼児から成人まで多くの治療経験がありますが、特に小児例については厳格な周術期管理を要するため、小児脳神経外科グループと共同で治療にあたり安全性を高めています。
脳動静脈奇形に対しては集学的治療(外科手術、血管内治療、ガンマナイフ)を積極的に取り入れ、最小限の侵襲で最大限の効果を得ることを目標としています。
外科手術は全例ハイブリッドOR(血管撮影装置を備えた手術室)で行うことで、摘出の精度を上げます。
バイパス術は、もやもや病のように壁が非常に脆弱な脳表の血管から、深部の血管まで対応できます。
特に深部の血管へのバイパスは頭蓋底外科手技の応用により広い術野を得ることによる確実性と同時に脳への低侵襲性が向上します。
当院では平成27年12月より、解剖学講座および不老会の支援のもと、脳神経外科を中心(運営委員長:若林俊彦教授、実務委員長:荒木)として「臨床医学の教育及び研究における死体解剖のガイドライン」に準拠したClinical Anatomy Laboratory in Nagoya (CALNA)を設立しており、ご献体を用いて詳細な臨床外科解剖知識獲得と手術手技を修練(サージカルトレーニング)し、症例数の少ない高難易度手術における安全性を高めています。
また、新たな手術アプローチ開発等の研究も行っています。