「St. Michael’s Hospital, University of Toronto留学記」西村由介

St. Michael’s Hospital, University of Toronto留学記

【氏名】西村由介(平成13年卒)

Canada, TorontoのUniversity of Torontoのaffiliated hospitalのひとつであるSt. Michael’s Hospitalに2011年9月から2013年6月までClinical Fellowとして臨床留学しました。1年9か月の間Staff physicianであるDr. Howard J GinsbergのもとでNeurosurgery, 特にSpinal surgeryの臨床業務に従事しました。また、同時に2012年4月から、同じUniversity of Torontoのaffiliated hospitalであるToronto Western Hospitalに属するKrembil Neuroscience CentreのDr. Michael Fehlingsのもとで脊髄再生の研究プロジェクトにも参加しました。

TorontoのUniversity of TorontoのClinical Fellowshipのシステムは国際的な英語試験であるTOEFL testに合格すれば、provisional medical licenseが認可され、実際に患者の診察、手術をはじめとした治療に主治医として参加することができます。業務は大まかに外来診察、病棟管理、手術の執刀・レジデント指導、当直業務などがあります。欧米は日本よりも病院や専門医の数が規制されており、その分一つの病院の規模が大きく、非常に多くの症例が集中します。このため、私自身数多くの脊椎脊髄疾患、脳疾患の手術に実際執刀もしくは、レジデントを指導する立場で参加することができました。その数は1年9か月で約500件に達しました。SupervisorであるDr. Howard J Ginsbergは、北米を代表する著名なspine surgeonであり、脊髄外傷を中心として多くのinstrumentation surgeryを学ばせていただきました。言語の壁に悩まされながらも、レジデントや看護師、その他の病院スタッフと信頼関係を築き、ともに学びながら、実際異国の地で患者さんの治療にあたるという経験は極めて有意義で、医療の技術面だけでなくコミュニケーション能力や人格的な面においても大きく成長することができたと実感しています。学問的な面においても、4つの臨床論文をTorontoでの経験と知見をもとに書き上げることができました。

基礎研究においては、世界的に脊髄再生の分野をリードするDr. Michael Fehlingsのもとで、Research Fellowである岩崎素之先生(北海道大学脳神経外科)の研究プロジェクトに参加する形で、研究に従事しました。実際はClinical Fellowとしての仕事が忙しく、緊急手術などでなかなか研究業務に参加できないこともありましたが、’Synergistic Effects of Self-assembling Peptide and Neural Stem/Progenitor Cells to Promote Tissue Repair and Forelimb Functional Recovery in Cervical Spinal Cord Injury’というテーマで、研究論文が既にBiomaterialsに掲載されており、このような質の高い研究に参加した経験が帰国後も脊髄再生研究の後進の指導にも非常に役立っています。

今後は、このUniversity of Torontoとの間に築いたネットワークを発展し、人的交流を深めながら、後進にも基礎研究、臨床業務での留学を指導していきたいと考えています。