「虎の門病院 留学記」永田雄一

虎の門病院 留学記

【氏名】永田雄一(平成20年卒)

2016年10月から2017年9月の1年間、東京都にある虎の門病院に国内留学させて頂いたので、御報告させていただきます。
私は卒後6年目で名古屋大学大学院に入学し帰局しました。その後翌年に脳神経外科専門医資格を取得した後、内視鏡・低侵襲グループに所属し、名古屋大学、名古屋第二赤十字病院で研鑽を積んできました。神経内視鏡治療は歴史的には脳室内病変、下垂体病変を始めとして発展してきましたが、近年では頭蓋底病変、脳実質内病変にまでその適応を急速に拡大しており、脳神経外科領域の中でも特に発展の目覚ましい分野の一つです。神経内視鏡治療に日々従事していくにつれて、その大きな柱の一つである下垂体疾患に関してより知見を深めたいと思うようになり、虎の門病院への国内留学を決意しました。
虎の門病院は下垂体外科については日本ではもとより世界でも有数の施設です。間脳下垂体外科という脳神経外科とは独立した科を有し、年間およそ350件の下垂体手術を行っています。虎の門病院間脳下垂体外科スタッフとして朝から夕まで手術を行いつつ常に30名程度の患者の病棟管理を行うことは、忙しくはありましたが文字通り下垂体漬けの日々を送ることができ、非常に有意義な時間となりました。山田正三部長を始めとした諸先生方には、下垂体手術のコンセプト、内分泌学的管理、病理学的観点からの疾患へのアプローチなど多くのことを御教示頂き、これまでは不十分であった内分泌学的・病理学的知見についても多くを学ぶことができました。

また臨床のみならず、アメリカのフロリダ州オーランドで開催された米国内分泌学会総会(ENDO2017)への参加や、論文執筆(Nagata Y. et al. Pituitary 2017. DOI 10.1007/s11102-017-0836-4)など、アカデミックな活動にも積極的に取り組み、多大なる御指導を頂きました。臨床医として日常診療に関わりつつも、日々の臨床で得た知見を積極的に世界に発信していく事の重要性を改めて感じ、今後の私の臨床医としての在り方にも大きな影響を与えられたように感じます。この留学で得た経験をもとに、今後名古屋地区での下垂体疾患への取り組み、さらには神経内視鏡治療の発展に、微力ながらも貢献できればと考えています。

最後になりましたが、このような貴重な留学機会を頂いた若林俊彦教授はじめ、医局、同門の先生方に、この場をお借りし深く御礼申し上げます。